【対談から学ぶ】子どものスポーツ環境と「身体の使い方」のリアル

芝のグラウンド写真

こんにちは!

先日、YouTubeで非常に興味深く、深く考えさせられる対談動画を見つけました。

出演されていたのは、元Jリーガーの方と、現在もJリーグの現場で選手を支えている現役の整形外科医(チームドクター)の方

プロのトップ現場を知るお二人だからこその視点で、

  • 日本と世界における「怪我(負傷)の種類や予防」の違い
  • サッカーの育成年代を取り巻く環境

など、多角的なテーマで熱く語り合わされていました。どのテーマも現場のリアルが詰まっていて引き込まれたのですが、その中でも特に私の心に強く残ったお話がありました。

それは、「日本における『1つの競技に早期集中する』スポーツ文化と、子どもの身体の発達」についてです。

日本と海外のスポーツ環境の違い:「1つに絞る」リスクとは?

色々なボール写真

対談の中でドクターが指摘されていたのが、海外と日本の育成環境における大きな違いでした。

海外(欧米など)では、学生のうちは季節ごとに異なるスポーツを楽しむ「マルチスポーツ(シーズン制)」が一般的です。夏はサッカー、冬はバスケットボールやスキーといったように、年間を通じて多様な競技に触れる機会が多く用意されています。

一方、日本では幼少期や小学生の段階から「サッカーならサッカー一本」「野球なら野球一本」と、1つの競技に早期から集中する傾向が非常に強いです。

一見、「1つのことに打ち込む=上達が早い」と思われがちですが、これには見落とされがちな落とし穴があります。それは、「身体の動きが偏ってしまう」ということです。

特定の競技ばかりをやっていると、使う筋肉や関節、動きのパターンが固定化されてしまいます。その結果、特定の部位だけに負担が集中してオーバーユース(使いすぎ)による障害が起きやすくなったり、逆に「その競技では使わない身体の機能」が未発達のまま育ってしまったりするのです。

今の子どもたちに起きている「身体の使い方」の異変

走る子供

さらに衝撃的だったのは、「最近の子どもは、転倒したときにうまく手がつけず、顔から倒れてしまったり、受け身が取れずに骨折してしまったりする子が増えている」というお話でした。

一昔前であれば、日常の遊び(木登り、鬼ごっこ、ドッジボール、川遊びなど)を通して自然と身につけていた「バランス感覚」や「咄嗟に自分の身を守る体の使い方(反射・受身)」が、今の子どもたちからは失われつつあるという現実です。

運動不足だけでなく、幼少期からの「決まった動き(特定のスポーツ)しかしない環境」も、こうした基本的な身体能力の偏りに影響を与えているのではないかと感じさせられました。

指導者としての実体験と重なる「強い共感」

サッカー写真

実は、私自身も普段から少年サッカーの指導に携わっているのですが、この対談で語られていた内容は、まさに日頃のグランドで実感していることそのものでした。

サッカーの練習や試合を見ていても、

  • 足元の技術はすごく上手なのに、走るフォームや体の使い方がどこかぎこちない
  • ちょっとした接触や転倒で、思いのほか大きな怪我につながってしまう
  • 体幹や柔軟性が足りず、姿勢が崩れやすい

といった子どもたちに出会うことが年々増えていると感じます。

サッカーだけを一生懸命練習して「サッカーの動き」は得意になっても、根本的な「自分の身体を自由にコントロールする能力(基礎運動能力)」が追いついていないケースが多いのです。

これは決して子どもたちのせいではありません。 習い事や専門的なスクールが増えた一方で、公園での遊具の撤去やボール遊びの禁止、自由な外遊びの時間の減少など、子どもたちが自然に多様な身体の動きを獲得できる環境が減ってしまっていることが大きな要因です。

これからの育成・地域スポーツに必要な視点

今回の対談動画を見て、あらためて「子どもたちの未来を見据えたスポーツ指導・環境づくり」の大切さを痛感しました。

幼少期〜小学生の時期(ゴールデンエイジと呼ばれる運動能力が急成長する時期)に必要なのは、「特定の競技の技術を詰め込むこと」以上に、「さまざまな動きを経験し、自分の身体を思い通りに動かせる土台を作ること」です。

たとえば、サッカーの指導現場であっても、

  • 練習のウォームアップに、他競技の要素(手を使う、投げる、跳ぶ、這うなど)や遊びの要素を取り入れる
  • 転び方や安全な身の守り方(受身)を教えてあげる
  • 休みの日にはサッカー以外のスポーツや外遊びを積極的に勧める

といった工夫が、長期的に見れば子どもたちを怪我から守り、最終的にはサッカーのパフォーマンス向上にもつながっていくはずです。

おわりに

元Jリーガーの方とチームドクターの方の対談は、トッププロの視点でありながら、私たち街の指導者や保護者の皆様にとっても非常に多くの気づきを与えてくれるものでした。

「1つのことに打ち込む一生懸命さ」は日本の素晴らしい文化でもありますが、子どもの健やかな成長と怪我予防の観点からは、「多様な身体の動きを経験させてあげること」が今まさに求められています。

これからも指導現場において、目先の技術向上だけでなく、子どもたちが生涯にわたってスポーツを楽しめるような「しなやかで強い身体の土台作り」を意識して関わっていきたいと思います。

ご家庭でも、ぜひ週末にいつもと違うスポーツを楽しんだり、公園で全身を使った遊びを取り入れたりしてみてくださいね!

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