高齢者が転倒しやすくなる理由とは?足部の変化がもたらす影響
はじめに
「歩くときにふらつく」「ちょっとした段差でつまずくようになった」
そんな変化を感じる高齢者は少なくありません。転倒は骨折など大きな怪我につながることも多く、ご本人だけでなくご家族にとっても大きな心配事です。
実は、高齢者の転倒リスクには 足の構造や機能の変化 が深く関わっています。
体を支える土台である「足」が弱ることで、バランスが崩れやすくなるのです。
この記事では、
✔ なぜ足の変化が転倒につながるのか
✔ どんな機能が低下しやすいのか
✔ 自宅でできる予防法
をわかりやすく解説します。
日常生活の中で転倒を予防し、安心して過ごすためのヒントとして活用していただければ幸いです。
高齢者に起こりやすい身体の変化と転倒リスク
年齢を重ねると、筋力やバランス能力が少しずつ低下していきます。特に、
- 足や足首の可動域が狭くなる
- 身体を支える筋肉が衰える
- 足の裏の感覚が鈍くなる
といった変化が生じることで、普段なら問題ない段差や滑りでも転倒しやすくなります。
歩くときの「安定感」が落ち始めると、つまずきやふらつきが増えてしまうのです。
足部の変化とは?骨・筋肉・関節に起きる老化現象
高齢者が転倒しやすくなる大きな理由のひとつが、足部の機能低下です。特に次の4つは代表的な変化です。
1. 足首の可動域の低下
加齢により関節の柔軟性が失われ、足首の動きが硬くなっていきます。
20代と比べると 70代では底背屈(足首を起こしたり伸ばす動き)が約10度低下 すると言われています。
2. 外反母趾などの足部変形
足の形が変わると、地面に対する接地が不安定になり、バランスを崩しやすくなります。
3. 足裏の感覚低下
加齢によって足の裏の感覚が鈍くなると、地面の傾きや硬さを感じ取りづらくなります。
4. つま先の筋力低下(足の指・内在筋)
足には体を安定させる細かな筋肉が多く存在します。これらが弱ると“踏ん張り力”が低下します。
これらの変化が積み重なることで、歩行の安定性が徐々に低下してしまいます。
足部の変化が歩行やバランスに与える影響
● 感覚低下によりバランスが取りにくくなる
足裏の感覚が鈍ると、脳へ伝わる情報量が減り、バランスをとる反応が遅れやすくなります。
● 足関節の硬さが歩幅を狭くする
足首が十分に動かせないと、歩幅が自然と小さくなり、歩行スピードも低下します。
歩行速度が遅くなると、
片足で身体を支える時間が長くなる → バランスを崩しやすくなる
という悪循環が起こります。
これは、自転車をゆっくり漕ぐとフラフラしやすく、スピードがあるほうが安定しやすいのと同じイメージです。
足部ケア・運動で改善できること
足部の変化は「もう歳だから…」で終わりではありません。
適切なケアと運動を続ければ、機能改善は十分に期待できます。
● 鍛えておきたい筋肉は「足の内在筋」
足の指や足裏の細かい筋肉は、歩行時の安定性ととても関係が深いとされています。
ここを鍛えることで、つまずき予防にもつながります。
● 皮膚のケアも大切
足裏の皮膚が硬くなると、地面を感じる力が低下するため、定期的なケアが効果的です。
● 靴とインソールの見直し
足に合わない靴は転倒リスクを高める大きな要因です。
インソールで足元の環境を整えると、歩行が安定しやすくなります。
自宅でできる!簡単な転倒予防エクササイズ
以下の運動は特別な道具を使わず、今日から自宅で始められます。
● タオルギャザー
床のタオルを足の指でたぐり寄せ、内在筋を鍛えます。
● ヒールレイズ
イスに座った状態でかかとを上げ、ふくらはぎと足首を強化します。
● つま先歩き
短い距離でOK。つま先で歩くことで下腿の筋力とバランス力を高めます。
● 家の中の環境整備も重要
- 階段に手すりをつける
- 滑り止めマットを敷く
- 段差を減らす
こうした工夫も転倒予防には欠かせません。
まとめ
高齢者の転倒には、足部の筋力低下や関節の硬さ、感覚の鈍さなど“見えない変化”が深く関係しています。
しかし、適切なケアやエクササイズ、そして生活環境の見直しによって転倒リスクを減らすことができます。
ご本人だけでなく、支えるご家族も一緒に足の変化と予防法を理解し、安心して過ごせる毎日を目指していきましょう。

